土曜日, 7月 05, 2008

青年団「眠れない夜なんてない」

吉祥寺シアターに友人に誘われて。
青年団は昨年初めてこまばアゴラ劇場で「火宅か修羅か」を見て、良質さに感銘を受け、これまで見た芝居でもかなり上位だと、一緒に見た芝居仲間と語りあった。
その後2月に「冬のサミット2007」に参加させていただき、観劇のご案内もいただいているので、なるべく見ていきたいと思っている。

この芝居はマレーシアにリタイア後に移住した日本人たちの狭いコミュニティが舞台だが、終演後に吉祥寺の沖縄料理にてこの日一緒にみた3人で語り合って、より深い部分を読み取れたように思う。一人ではここまで気づかなかったと思ったら、友人との観劇はいいものだ。

メモ
・東南アジアでは日本人はお金持ちになってしまうことをあらかじめ期待して移住しているのに、チップを払って現地の子供を荷物運びに使うことができないでいる。
・登場人物たちが何かしら日本には帰りたくない事情をかかえている(家が暗い、とか、昔いじめられたとか)。
・病気のことは共有しようと声かけあっている=死ぬことに向かって生きている
・東南アジアはかつて日本軍が植民地化した土地。親戚の東南アジアの戦場での話を知った上でこの土地にきていること。
・こういったことがわざわざここにきているのに、現地に入り込むのではなく、日本のままでまるでシュルターのようにただ生きて、死んでいくということを実感させる。一見ゆとりがあるようで、根深い問題にすべてふたをして、それらから逃げている人たちの集まりは、見るものに不自然さを感じさせる。それにより、この根深い問題についてきちんと考えることを問題提起しているように感じる。

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